贈答のエチケット

贈る時の心得

贈り物はもともと、感謝や先方の幸に対しての喜びや祝福、不幸に対しての悲しみの気持ちを表すものですから、お返しを期待してはいけません。どのような品物が喜ばれるか、どのように使ってもらえるかなどを考えて贈ることが大切です。また贈るタイミングも重要です。

配送する場合
最近、贈答品は購入したデパートやお店から直接宅配してもらえるようになっています。わざわざ持参して先方に手間を取らせるよりも、かえって喜ばれることも多いようです。しかし、この場合にも挨拶を兼ねた送り状を添えて出すようにすると良いでしょう。
連名で贈る場合
何人かでひとつの品を贈る時には、のし紙の下段中央から左に連名で名前を書きます。この場合、右側(つまり中央側)が上位になりますから、代表者の名前が中央になるように書きます。人数が多い場合には代表者の名前の左に「外一同」と小さく書きます。全員の名前を記入したいなら、のし紙に書かずに、半紙などに書いて、包みの中に入れておくと良いでしょう。
お金を贈る場合
なるべく新しいお札を用意しましょう。手元にない場合には、銀行などで両替してもらうようにします。市販ののし袋に直接入れるか、半紙に包んで渡しますが、郵送する場合には、表書きをし、裏に金額を書き、挨拶状を添えて現金書留で送ります。
招待券を贈る場合
音楽会や演劇などの入場券を贈る場合には、できるだけ見やすい席のチケットを選び、遅くとも10日前までには届くようにしましょう。あまり早く届くと当日を忘れられてしまうかもしれないので、2週間前位が目安でしょう。招待券は、独身者へは最低2枚贈るのがマナーです。

お中元とお歳暮

お中元やお歳暮は、本来自分で持参するのが正式ですが、今ではデパートなどから配送してもらうことが殆どのようです。その場合、進物が先方に届く頃を見計らって送り状を出しましょう。何かの手違いで、予定よりも遅く届く場合にも、送り状が届いていればこちらの誠意は通じるでしょう。名産品などは、その品の説明や美味しい食べ方、食べごろなどを書き添えておくと、一層喜ばれるでしょう。なお、あらかじめ届くのが遅くなりそうなときには、お中元を「暑中見舞い」、お歳暮を「お年賀」の表書きにすると良いでしょう。新年になってからお歳暮が届いたのでは、先方に失礼になります。

先方が喪中の場合
お中元やお歳暮は、お祝い事と意味が違うのであまりこだわる必要はありません。むしろ、気持ちが沈んでいるときに、季節の食べ物や珍しい品物を贈ることは喜ばれるでしょう。但し、あまり派手な包装紙や紅白の水引をかけることは控えたほう場良いでしょう。また、こちらが喪中の場合にも贈って差し支えありません。
仲人に贈る場合
見合い結婚の場合や親しい方で日頃何かとお世話になっているのなら、ずっと贈り続けたいものです。ただ、挙式当日だけの頼まれ仲人の場合には、会社の上司でもない限り、一般的に三年くらいまでで良いとされています。
上司に贈る場合
直属の上司だけでかまいません。どちらかの所属が変わり、仕事上の縁が切れたら、贈答も止めるのが常識です。但し、特別個人的にお世話になった上司には、贈り続けるのも良いでしょう。

お返しの常識

お返しは早すぎてはいけない
お返しとは、贈り物をもらったお礼に、何か別のものを贈るものです。贈られてから、すぐにお返しをすると、形式過ぎてかえって失礼になります。頂いてから、約10日後から遅くとも一ヶ月以内に贈るのが適当でしょう。
高価な品物は失礼
慶事は倍返し、または全返し、弔辞は半返しなどと昔から言われていますが、今はそれにこだわる必要はありません。目安として、慶事のお返しは贈られたものの半分ぐらい、弔事の場合は半分から3分の1ぐらいと覚えておくと良いでしょう。
大勢の人から送られた場合
たくさんの人から様々な品を頂いた場合には、その品々に応じたお返しを選ばなければなりません。とは言っても、これは大変なことです。そこで、年齢別にするとか、男女別、独身者と家族のいる人などに分けるなど、2~3のグループに分けて考えると品物選びもずっと楽になります。結局、金額より、相手の方にどれだけ喜んで頂けるかという基準で選ぶことが大切でしょう。
お返しをする必要がない贈り物
しきたりとして、お返しをしなくてもよい贈り物がいくつかあります。お中元やお歳暮などがその代表ですが、礼状だけは出しておいたほうがいいでしょう。
内祝いとお返しは違う
結婚、出産や新築などの祝い事の場合には、内祝いを贈ります。これは、お祝いを頂いたお礼というわけではなく喜びを分かち合うために自分から配るものですから、お祝いを贈られたかどうかに係わらず、親しい方やお世話になった方に贈るのが普通です。内祝いの水引は、紅白の蝶結びにし、表書きは「内祝い」にして水引の下に姓を書きます。時期は、お祝いの日から一週間以内が適当ですが、誕生祝いの場合には、お宮参りの頃を中心に、1ヶ月以内に贈ると良いでしょう。

贈り物のタブー

数のタブーは気にしない
日本では昔から奇数(特に三、五、七)を吉とする習慣があり、人に物を送るときには奇数、弔事には偶数を用いるとされてきました。しかし、最近では、洋食器などは半ダース(6)や1ダース(12)単位でお祝いの品に使われたりしていますから、四(死)や九(苦)以外の数字なら、あまりこだわらなくても良いでしょう。
身分不相応なものは贈らない
贈り物をするときには、見栄を張らずに身分相応な物を選ぶようにします。身分不相応な高価な品は、先方の負担になるばかりでなく、「何か下心があるのでは」なんて思われることにもなりかねないので注意が必要です。
手土産は訪問先の近くで買わない
訪問には手土産が必要だという決まりはありません。何もなければ手ぶらで訪問しても良いでしょう。ただ、挨拶代わりということで訪問先の近くのお店で買ったものを持参するのは、いかにも間に合わせという感じで、先方には良い印象を与えません。
結婚祝いは、本人から知らせがあってから贈る
結婚の噂を耳にしたり、友人から又聞きしただけで、お祝いを贈る人がいますが、一般的には、本人から知らせのないときには、祝いの品は贈らないのが無難とされています。先方の都合もあるでしょうから、お祝いをしたいときには、結婚式の当日に祝電を打つと良いでしょう。
結婚祝に贈らないほうがいい品物
昔から結婚祝いに贈らない方がいいとされている品物がいくつかありますが、若い人たちの間では、こだわる人は少なくなっています。しかし、中には縁起を担ぐ人のいますから、心得ておくと良いでしょう。
  • 〈陶器〉割れやすいという縁起
  • 〈はさみ、包丁、ナイフ類〉切れるという縁起から
  • 〈鏡〉鏡の破片を持っていた夫婦が離縁になったという中国の故事から。
  • 〈時計〉勤勉で、という意味から目上の人には贈ってはいけない。
  • 〈印鑑〉責任を持て、という意味から親や上司以外からは贈ってはいけない。

贈り物とお返しの心得

贈る心得お返しの心得
表書-御祝
生まれて10日目位からが良いでしょう。
持参する際には出産経過をみてからにしましょう。
出産祝表書-内祝
お祝いを頂いた方だけへ赤ちゃんの名前で、赤飯に品物を添えて返します。
表書-御祝
お人形などを贈ります。
男女それぞれのお節句の1週間前までに。
初節句お赤飯や紅白の餅を配ります。
11月の初めに贈ります。七五三の祝お返しは不要です。
晴れ着を見せに伺って千歳飴を配るなども良いでしょう。
表書-入学祝
文具などの学用品を贈るのも良いですが、現金を包むのも良いでしょう。
入学祝表書-内祝
お赤飯を配って、挨拶をする。
表書-御祝、寿
式の当日なら現金を祝儀袋に包んで渡します。
品物を贈る場合には挙式当日は避け、式1~2ヶ月前から1週間位前迄に届けます。
結婚祝表書-内祝
お返しは披露宴に招待しなかったけれど結婚祝を寄せた方へは、新婚旅行から帰って2週間以内にお返しをしましょう。
紙婚式(1年目)、花婚式(7年目)、水晶婚式(15年目)、銀婚式(25年目)、金婚式(50年目)。結婚記念日お返しは不要です。
お祝いのパーティーを開くのも良いでしょう。
表書-御祝
還暦(60歳)、喜寿(77歳)、米寿(88歳)・・・お年寄りに喜ばれる品を選びましょう。
賀寿表書-内祝
頂いた方は長寿にあやかると言われています。
自筆の書画なども良いでしょう。
表書-御年賀
松の内(7日まで)に本人が持参し、玄関先で手渡さず、新年の挨拶と共に手渡しましょう。
年賀お返しは不要ですが、子供連れのお客のときには、お年玉袋の表書きに子供の名前を書いて渡すと喜ばれるでしょう。
表書-御歳暮
正月の準備に役立つ食料品は喜ばれます。
関東は早め、関西は遅めと、時期が多少ずれます。
お歳暮表書-御歳暮
お返しは御歳暮として改めて贈ります。
お礼状はすぐ出しましょう。
慌てずに、「御年賀」でもいいでしょう。
表書-御中元
変質しやすい食品は避けましょう。東京では7月1日から13日までに。もし遅れた場合は暑中見舞にし、立秋を過ぎたら残暑見舞にします。
お中元表書-御中元
お返しではなく、こちらもお中元とします。
表書-御祝
室内インテリアを贈るときは、家を見てその家の主人と相談しましょう。
新築祝表書-内祝
新居へ落着いてから配る。
縁起の良いもの。花など。開店祝そのお店らしさが出る物など。
表書-御香典、御仏前、御霊前
通夜、告別式、弔問の何れの場合に出しても良い。氏名は水引の下に薄墨で書きます。
弔事(仏式)表書-志
お返しは当日のほか、35日、49日にする。
表書-御見舞
果物や切花(鉢物は贈らない)、それに現金を祝儀袋で渡しましょう。
病気見舞表書-内祝、快気祝
床上げ後1週間位にする。
表書-御見舞
毛布などすぐに役立つ身の回り品。
食料品、現金もありがたい。
災害見舞お返しは不要です。
生活が落着いたら礼状を出しましょう。